【サメ映画】『ディープ・ライジング コンクエスト』レビュー

『ディープ・ライジング コンクエスト』

原題:Shark Attack 3: Megalodon
監督: デヴィッド・ワース
出演: ジョン・バロウマン, ジェニファー・マクシェイン, ライアン・カットローナ
備考:信頼と実績のNU IMAGE作品


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⒞2002 NU IMAGE, INC

 本作・『ディープ・ライジング コンクエスト』は海外で最も有名なサメ映画の内の一本に数えられる作品だ。

 何せ本作、劇中に登場するサメの映像の出来があまりに悪かったことから、“史上最低のサメ映画の捕食シーン”とインターネットで話題に上り、YOUTUBEでは本作のclipが衝撃の5000万再生(2017/08/03現在)を超え、本編の特に酷い場面のgifが拡散した作品である。



 おまけに主演のジョン・バロウマンは、後に本作に対して「金のために出演した」と語ったとのことだが、それはさておき今回はディープ・ライジング_コンクエストをレビューしていこう。





 余談だが、「シャークアタックシリーズでは本作が一番良かった」という声も意外と多い。




 あらすじ

 メキシコのリゾートビーチで監視員として働くベンは、ある日太平洋を横断する光ファイバーケーブルに刺さった巨大なサメの歯を発見する。

 海洋生物学者のキャットにすぐ調査を依頼すると、それは絶滅したかと思われていた巨大サメの一種メガロドン、しかも体長22メートル以上になるサメだと確信する。

 人喰サメによる被害が出る中、さらに調査を進めていくと、サメの群れは海溝に生息して生き延びていて、エイペックス社の敷設したケーブルの漏電による電磁波に引き寄せられて、被害が出ているのを知りながら会社の利益の為にその事実を隠していたのだった。

 人類の平和の為、そしてビーチを護るため、“人類VS超巨大人喰サメ”の壮絶な戦いが今、幕を開ける…。(パッケージ裏のSTORYより引用)




 シャークアタックシリーズの三作目に位置する『ディープライジング・コンクエスト』だが、内容自体は前二作から独立した一本の作品である。

 「悪役の企業が進めた開発によって/『メガロドン』が復活すると町を襲い始めたので/主人公達が食い止める」という、“もう説明する必要もない作劇のテンプレートをそのまま踏襲した筋書”には、いつものことだが何を言うこともない。

 主役を含めた登場人物の個性も月並で、そこにオリジナリティーは薄いが、一方で貶すには至らない程度にキャラクターを立てている――とそれだけ聞けば何の変哲もない、典型的かつ一般的なサメ映画だ。



 それでは、本作の何がそこまで世間を騒がせたのか。



 それは本作の『単純な出来の問題というより、超弩級に志の低い映像美』に尽きるだろう。



 例えば、本作の目玉である『メガロドン』が、ついに主人公達の前に姿を現すシーン。



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⒞2002 NU IMAGE, INC



 合成が杜撰過ぎる。



 続いて、『メガロドン』が主人公達の仲間を一口に飲み込むシーン。



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⒞2002 NU IMAGE, INC



 完全にサメの映像を使い回している。



 なお、本作に使われているサメの映像の大半は、“他のNU_IMAGEのサメ映画で既出の資料映像を改めて加工したもの”、要は“別の作品で何度も使用した資料映像をまた再び流用したもの”である。

 もう少し補足すると、前作の『シャークアタック(Shark Attack)』『ディープ・ライジング(Shark Attack 2)』には“本作と同じサメの映像がそのまま登場する”

 というより本作に登場するサメの映像の九割は、以前にも使った資料映像の流用である。
※序盤の一部には自前で用意したサメの模型を使っているシーンも存在する。



 更に付け加えると、資料映像を流用しているシーンは自前で用意したシーンと比べて“フィルムの質感が古い/スクラッチノイズが異常に激しい”ので、どのシーン、どのタイミングで他所から持ってきた資料映像を使っているのか、初見でも観れば一発で分かる。



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⒞2002 NU IMAGE, INC



 ここまで来ると逆に笑う。



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⒞2002 NU IMAGE, INC


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⒞2002 NU IMAGE, INC



 断っておくが、本作は別にアマチュアが撮影したインディーズ作品というわけではない。
 元がビデオスルーとはいえ、一応まともな会社が製作して、まともな俳優が出演している作品である。



 それを踏まえた上でこの出来なのだ。



 とのように、何か常識では考えられない品質の本作ではあるが、一応“作品のテンポが良いので、展開がスムーズに進む”ことや、“良くも悪くも物語は平凡”であること、そして“各所に挟まる絵面の酷さが逆に見所と言えないわけでもない”ことから、一応観られる部類の作品ではある。



 というわけでこのディープ・ライジング_コンクエスト、「最初からまともな作品と思わなければ相応に笑える」作品ではあるだろうか。



 確かに酷いことは酷いが、そこが面白いと言えば面白いのもまた事実である。
 少なくとも、見方次第で楽しむ余地が存在する。



 “見所と紙一重で最悪な絵面”が受け入れられるなら、ぜひとも本作をオススメしておきたい。 



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コメント

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No title

筆者にかかればオススメできないサメなどほとんどないのではないだろうか