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【ホラー映画】『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』レビュー

 ★★★☆☆3.0 [ 料理・味3.0 | サービス3.0 | 雰囲気3.0 | CP3.0 | 酒・ドリンク3.0 ] 使った金額(1人) ¥100~¥500
『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』

原題:Attack of the Killer Donuts
監督:スコット・ホイーラー
出演: カイラ・コンプトン, ジャスティン・レイ, アリソン・イングランド, C・トーマス・ハウエル
備考:監督は『アイス・ジョーズ』や『トランスモーファー・リターンズ』の人


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⒞2016 Cardinal XD, LLC

2016/10(初)鑑賞
濃厚な食感が抜群

 仕事を終えた平日の午後に、ぶらりと寄った近所のレンタルショップ。
 魚介系のクソ映画が充実した、地元では有名な老舗の店舗である。

 まだ少し肌寒い三月の春風から逃れるように、熱気の籠もった店内に入ると、早速誰にも借りられない常連で賑わうマイナーなホラー映画の棚へと向かう。

 種類は豊富だが魅力は皆無なメニューの品目や、空席の多い新作コーナーの活気に少し惑わされたが、今回は現時点で準新作の『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』を注文した。
 最近はこってり系のクソ映画を中心に攻めていたので、たまには健康を考えてあっさり系の本作を頂くことに決めたのだ。

 リリース当初から客の手に取られた様子のない、埃を被ったトラッシュ・ムービー風味のパッケージ。
 どこの誰が描いたともしれない殺人ドーナツの素朴なイラストをベースに、脇に添えた意味不明なキャッチコピーが程々のスパイスを効かせており、どこの誰とも知れない職人の技量が窺える。
 殺人ドーナツの光る目玉は少し薬味の自己主張が激しいために、他の素材との調和を乱しているようにも思えたが、一方でそのような臭味が逆に味わい深い、ジャンキーな香気を漂わせていた。

 早速カウンターを通して自宅に持ち帰ったディスクは、意外にもサクサクとプレイヤーの中に収まってしまった。
 同時に再生された新作案内のフルコースに舌鼓を打って、ついにメインディッシュである本編の鑑賞に移る。
 質感の安いフィルムの冒頭が画面内で流れ出した途端、部屋中に芳醇な雰囲気が広がった。

 嗚呼、これは、最近ではめっきり数の減ってしまった、懐かしいクソ映画の味だ――



 というわけで、ここから『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』のレビューである。
 上のグルメレビューは読み飛ばしていいよ。




 あらすじ

 ドジで純粋なジョニーと美人で優しいミシェルはロサンゼルスにある冴えないドーナツ屋「ダンディ・ドーナツ」での店員仲間。

 ある日、ジョニーの叔父さんで自称サイエンティストのルーサーが化学実験の結果、人間を襲う凶暴な遺伝子生命体を作ってしまう。
 そのエキスを誤ってドーナツ店でばら撒いてしまい、それがドーナツを揚げる油の中に大量に入ってしまった!

 次から次へと殺人遺伝子入りの油で揚げられたドーナツが量産される。そして自宅で、お店でドーナツを食べようとする客次々に襲い掛かるキラー・ドーナツたち。しかも奴らは統制され群れで襲い掛かってくる!

 異変に気付いたジョニー、ミシェルはオタクのハワードを加えた3人組で、キラー・ドーナツたちを迎え撃つ。果たして彼らだけでこの地球壊滅的危機から人類を救えるのか?(パッケージ裏より引用)



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⒞2016 Cardinal XD, LLC

↑カラフルで綺麗なオープニングは割と気に入っている。



 というわけで、ここから『アタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツ』のレビューである……が、まあ特に長々と掘り下げるような内容があるわけでもないので(これは作品の出来不出来とは関係のない、シンプルでコミカルな題材の都合によるもの)、今回は簡単に要点を纏めて語っていこう。



【長所】:意外とネタが面白い



 本作は『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』にオマージュを捧げた作品とのことであるが、実際の本編にはそこまで本家と通じるような要素はない。

 チープな絵面を逆手に取った内容や、下らないが滑稽で、コントのような“安っぽさ”が魅力的だった『トマト』と比べると、『ドーナツ』下品なジョーク直球のパロディといった“俗っぽさ”を前面に押し出した、下世話な雰囲気の漂う作品である。
※パロディの部分についてもう少し補足すると、『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』のオマージュというより、『サイコ』の殺人シーンとか『続・夕陽のガンマン』の決闘シーンを殺人ドーナツで模倣したような、古い名作映画が元の場面が見られる。

 だが、勿論それが悪いというわけではない。



 というより、今時の若者といった風体の主人公達が、軽い態度で汚い言葉を飛ばしながら“宙を飛び交う殺人ドーナツと愉快な死闘を繰り広げる”光景は、人を選ぶ上に冷静に考えると意味不明だが、難しい言葉を捨てて何も考えないで観る分には十分に楽しかった。





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⒞2016 Cardinal XD, LLC

↑本作に登場する殺人ドーナツ。
怪しい薬によって自我と無数の牙を得た、禁断の生命である。
味は糞とのこと。




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⒞2016 Cardinal XD, LLC

↑ナチュラルに変顔で暴言を吐くヒロイン。
断わっておくと、強烈な毒舌を除けば割と良い人である。普段の顔も普通に美人である。マジで。




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⒞2016 Cardinal XD, LLC

↑乱戦の最中に捕らえた殺人ドーナツを、レンジに掛けて始末する主人公。
非常に残酷でショッキングなシーンである。嘘である。

 




 あの偉大な『トマト』の源流を汲んだ作品なのかと聞かれると、“食品が題材”という点を除いて首を傾げるような内容ではあるが、この『ドーナツ』もまた別のアプローチから作られたチープなホラー・コメディとして、ネタの出来はこれが思った以上に笑えるものだった。

 “主人公の親友が主人公の母親と寝ていた”という設定は、個人的にギャグとはいえ少し引いたが、まあ、ギャグである。




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⒞2016 Cardinal XD, LLC

↑派手な爆発シーンも完備。
ドーナツが題材の作品で何故に爆発が起こるのか、興味を抱かれた方は急いでレンタルショップに走ろう。




【短所】:テンポが悪い



 まあ、他にも“映像技術が稚拙”とか“展開が支離滅裂”とか“役者の演技が微妙とか色々と細かい点に文句は付けられてしまう作品ではあるが、そこは最初から百も承知で借りている部分でもあるので置いておこう。

 だが、それはそれとして本作のテンポは悪い。

 物語の各所に盛り込まれたネタは良かったが、一方で“主人公達が劇中で殺人ドーナツと接触するのは、本編開始から約50分後”という緩慢な進行ペースと、“内容自体は割と笑えるが、妙に長い尺や単調なカメラワークのせいで次第に飽きてくる”本作の日常パートは、観ていて普通に辛かった部分である。

 特に、ラストで一夜を共に過ごした主人公とヒロインが、翌朝にベッドの中で延々と何か雑談を続けている場面は、特に何も起こらないのに“約5分”と本当に長い。いや、本当に長い。

 最後に少し余った尺を適当な会話で埋めたかったのか、編集の手を抜いたのか、それとも単に意識していなかったのか、あるいは私が気が付かなかったテーマやメッセージが含まれていたのか、それは分からない。

 だが、“殺人ドーナツが題材の作品で、特に大した見所もない男女の事後の描写を、最後の最後に延々と見せ付けられている方の立場”を想像して、考えてみて欲しい。



 少なくとも俺は真顔だった。



 一種の(良い意味で)クソ映画として頻繁に名を上げられる、本家の『トマト』でさえ、内容の密度とテンポの面で言えば非常に快適で、少なくとも冗長に感じる部分は少ない構成の作品である。

 もし本当に『ドーナツ』『トマト』へのオマージュを捧げた作品と言うのであるなら、そのような部分まで、というより「そのような部分こそ踏襲して欲しかった」というのが私の本音だ。



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⒞2016 Cardinal XD, LLC

↑知性と凶暴性に加えて、浮遊能力まで手に入れている殺人ドーナツ。
なお、本家『トマト』のような“ミュージカル要素”は本作にはないが、エンドロールでは本家『トマト』のオープニングテーマのような「アタァーック オブ ザ キラードーナーッ」のエンディングテーマを聞くことが可能である。




 というわけで本作だが、全体的に、「そういうもの」として無視するには少々厳しい部分が残るように感じた一方で、先述のように、『トマト』とは別種のセンスによって放たれる劇中のネタは面白かった。



 そのため、“ユルいテンポ(配慮した表現)”と、“ヒドいユーモア(これは褒め言葉)”に抵抗がなければ、本作は決して楽しめない作品ではないように思う。
※純粋な映画としての出来は最初から故意に投げ捨てている作品かと思われるのでそこには触れない。



 良し悪しで言えば「本作が半ば意図的に作られたクソ映画であること」を考えてなお悪いと思ったが、好き嫌いで言えば、キュートな殺人ドーナツの活躍が愉快で、総合的には好きな方の作品でもある。

 少なくとも本作は、「そういえば、最近はドーナツが人を殺すようなホラー映画を観てないなあ」との欲求から、何か胸にぽっかりと穴が開いてしまったような方への潜在的なニーズには応えられている作品ではあるので、通常のホラー映画とは少し違った奇抜な作品を求められている皆様には、このアタック・オブ・ザ・キラー・ドーナツをオススメしておきたい。

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コメント

非公開コメント

見たことなんてないけども

 私の母親が中学校の教師だったのだけど、生徒からこの映画を薦められたから堂なのって聞かれた事がある。
 その母親はプレデターとジェイコブラダーを両方を見てジェイコブラダーの方が面白いと言った人だったからやめろと言ったのだが、その決断は正しかったように思う。

No title

エンディングテーマ良いすよね

トランスフォーマーではなくトランスモーファーでは?
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