【スラッシャー映画】『ローズマリー』レビュー

 PROWLER=不審者/徘徊するもの
『ローズマリー』

原題:THE PROWLER/ROSEMARY'S KILLER
監督:ジョセフ・シトー
出演:ヴィッキー・ドーソン, クリストファー・ゴートマン, ファーリー・グレンジャー, ローレンス・ティアニー
備考:特殊メイクはトム・サヴィーニ


rm1
⒞1984 GURADUATION PRODUCTIONS LTD.

 『ハロウィン』や初代『13日の金曜日』によって、ブームを巻き起こした80年代のスラッシャー映画の中でも、特に有名な作品の内の一本が、『THE PROWLER』こと『ローズマリー』だ。

 VHS版では『ローズマリー・キラー』という邦題を付けられている本作は、13日の金曜日の亜流とは言えない、独特の趣向とインパクトが詰まった作品であり、界隈では非常に高い評価を得ている傑作である。

 そのため、年季の入ったホラー映画ファンの方々には、「今更ローズマリーかよ! 知ってるよ!」と思われるかもしれないが、前々から触れておきたかった作品であり、個人的に好きな作品でもあり、一番の理由としては、どうでもいいけど先日改めて鑑賞して丁度無性に喋りたい気分になったタイミングだったので、今回はこのローズマリーを簡単にレビューしていこう。




 あらすじ

 アバロン・ベイの住人たちの記憶に残る忌まわしい殺人事件。

 かつて町の女学院で行われた卒業ダンスパーティで女学生ローズマリーとそのボーイフレンドが何者かに惨殺されたのだ。

 犯人は不明のまま35年が過ぎ、久しぶりに再開された卒業パーティに、軍服に身を固めた殺人鬼が忍び寄る…。

 脳天を突き抜ける長剣、苦痛に白目をむく顔、下腹を刺し貫く農作業用フォーク、銃剣で真一文字に切り裂かれる喉笛――特殊メイク界の第一人者トム・サヴィーニによる凄惨なシーンが殺人カタログ調に展開。

 その名人芸がホラー・ファンから絶賛され、後にドルフ・ラングレン主演のアクション映画で名を馳せるジョセフ・ジトーのサスペンス演出も快調だ。

 同じコンビによる「13日の金曜日・完結編」と並び、80年代スラッシャー映画を代表する傑作ホラー。(パッケージ裏より引用)




rm2
⒞1984 GURADUATION PRODUCTIONS LTD.

↑本作の殺人鬼・『プロウラー』もしくは『ローズマリーキラー』
彼は元々第二次世界大戦の復員兵であったことが本編の冒頭で明かされる。




 本作『ローズマリー』を語る上で欠かせないのは、本編に登場する殺人鬼の、独特な風貌だろう。

 “軍服に襤褸で顔を隠した衣装”に、“殺人鬼のシルエットを強調するライティング”で彩られた姿は不気味で、“外見から面白味を感じさせる、記号的なキャラクターとしての魅力”と、“観客に恐怖を与える、ホラー映画の主役としての魅力”が両立されている。



rm3
⒞1984 GURADUATION PRODUCTIONS LTD.



 もちろん、スラッシャー映画の肝とも言える“殺人シーン”も、本作は非常に力を込めて撮影されている。

 観ている側にも痛みが伝わって来るかのような惨劇を、時間を掛けて入念に映し出していく中に、強烈なカットを挟み込むことにより、更に迫力が増している見事なホラー演出。
 そこにトム・サヴィーニの特殊メイクによる凄惨なスプラッター描写が加わって、本作は“スラッシャー映画のブームに乗っただけの作品では終わらない”、確かな完成度を見せている。

 特に、序盤の“脳天から喉元へと抜けて刃物を突き立てるシーン”は、観た者に強烈な印象を残す本作のハイライトだ。
※ちなみに特殊メイクを担当したトム・サヴィーニは、本作が自分の仕事の最高傑作と語っている。



rm5
⒞1984 GURADUATION PRODUCTIONS LTD.



 また、殺人シーンのインパクトに限らず、恐怖を煽る間と音楽、気味の悪い暗闇によって、“何も起こらないシーンでさえ、作品の緊張感が一向に途切れない”のも、本作の優れた点だろう。 

 第二の犯行が始まってから、終盤まで常に保たれた緊張感のため、本作を視聴している最中は気が抜けない。

 それゆえ、視聴中は物語の細かい粗や疑問点に気を回す暇もなく、最初から最後まで作品に引き込まれてしまうのだ。



rm4
⒞1984 GURADUATION PRODUCTIONS LTD.

↑ヒロインに対して、襲う前に一輪の薔薇を手向ける殺人鬼。
彼が冒頭の犯行に及んだ理由を考えると、狂気と同時に何か切なさも感じさせる一言である。




 ラストの“シャワールームでのホラー演出”は、流石に“渾身の駄目押し”といった具合で逆に笑ってしまったが、そこを除けば本作、純粋に怖い上に隙がない。

 一応、上に加えて“犯人当て(フーダニット)の要素を含む割に、論理的な推理は難しい筋書”という難点もあることはあるが、そこはスラッシャー映画に特有の様式美として流しておく箇所である。
※実際、大抵の作品は本当に“そういうもの”である。



 個性的な殺人鬼と、練られた演出、力の込められた描写によって、80年代のスラッシャー映画ながら未だ色褪せない魅力を持つ本作は、ホラー映画が好きな方には必見の一品だ。

 このローズマリー、特に難しい内容でもなく、癖の少ない単純娯楽映画として洗練された一本であるため、相応に古い作品であるにもかかわらず、今時の作品にも劣らず素直に楽しめる。



 というわけでまだ観てない人にはオススメ! 観た人にももう一度オススメ!



関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

No title

動画よりもブログの方がレビューとして面白いな。
あっちはゆっくり動画だからかおふざけが多すぎる。

No title

↑こいつ何言ってだ

勧められるままに見て、本日寝れなくなりました。どうすれば

↑だからスラッシャーとホラーは清々しく晴れたニチアサキッズタイムに見ろとあれ程……