【スプラッター映画】『バッドマックス 怒りのリベンジ・ロード』レビュー

『バッドマックス 怒りのリベンジ・ロード』

原題:INFIDUS
監督:ジェリオ・デ・サンティ
出演:ミノ・ボニーニ, マッシモ・キャラテリー, ステファニーア・ボニーニ, デモニコ・ヴァグナティ, ウィルバー・ジィモサー
備考:一見適当な便乗邦題であるが、実際の作品の内容とは一致している


バッドマックス01
⒞KADOKAWA GROUP PUBLISHING CO.LTD.



 先に断っておく。
 当然ながら本作は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ではない。
 というよりマッドマックスの模倣作品ですらない。

 あくまで国内で大作映画のリリースに便乗して、マッドマックスと何の関係もない作品に紛らわしい邦題を付けているだけのことである。
 別に大して珍しい話ではない。


 
 でも強烈なゴア描写が全開の、それもスナッフビデオがテーマの作品にこの便乗邦題を付けてしまったのはヤバいんじゃないでしょうか。




 あらすじ

 かつて実の弟の策略によって、八年もの歳月に渡り服役していた主人公・バラバ。出所後、彼は自分を嵌めた弟と、弟が統率する犯罪組織への復讐を決意する。

 一方で、過去に妻をスナッフビデオの撮影のために殺された男・マッシモは、事件の黒幕であるスナッフビデオのコレクターへと直接接触することに成功。

 彼もまたバラバとは別に、己の復讐を遂行するべく動いていた―




バッドマックス05
⒞KADOKAWA GROUP PUBLISHING CO.LTD.

↑主人公の一人・バラバ。なお彼を演じるミノ・ボニーニは、本物の前科者とのことである。



 本作の感想を語る前に、本作の製作会社『ネクロストーム』の作風について少し触れておこう。


 一言で言えば、本作も含めた同社の作品は全て“過剰なゴア描写以外の一切合財を捨てた代わりに、脳髄・臓物・拷問・四肢欠損に全力を注ぎこんだ、パラメーター一点特化のスプラッター映画”である。



 更に簡単に説明すると、


・脚本に捻った部分は少ない/テンポも大抵悪い

・映像技術はゴア描写に関する点を除くと、厳しい面も多い


・だがゴア描写の質はは非常に高い


 というのがネクロストーム作品に共通する特徴である。



 彼等の作風は、第一作である『アダム・チャップリン 最・強・復・讐・者』(俗称:真の実写版『北斗の拳』から現在まで一貫している。
 レビューサイトでは辛辣な評価を下されることも多い一方で、コアなファンも確かに存在する、マニアックなイタリアのホラー映画会社だ。

 というわけでこのバッドマックスも、そのような“いつものネクロストーム”のスプラッター映画であるわけだが――





 マッドマックスと誤認して本作を借りた人間は、開幕から“迫真の演技で泣き叫ぶ中年女性の脳天に、刃物がゴリゴリ突き刺さっていく冒頭”を観ることになるんだよね……。





 マズいんじゃないでしょうか。





 ショッキングな冒頭を除けば本作の序盤は退屈だ。

 主人公のバラバが無言で街を歩くだけのシーンや、もう一人の主人公のマッシモが無言でコーヒーを淹れているだけのシーンが、約20分も冗長に続く。



バッドマックス04
⒞KADOKAWA GROUP PUBLISHING CO.LTD.

↑主人公がスローで歩いているシーン。



 途中でスナッフビデオの映像や、主人公達の過去と思しき映像が、抽象的な演出と共に挿入されるが、当初謎を煽るかのように語られていく物語の全貌は、“途中から結局説明口調で全部纏めて明かされるので、やはり最初の約20分は飛ばしてしまって構わないだろう。



バッドマックス02
⒞KADOKAWA GROUP PUBLISHING CO.LTD.

↑中盤、スナッフビデオの魅力について語る事件の黒幕。
退屈な台詞の多い本作だが、この場面では妙に言い回しが鮮やかである。




 だが、主人公の一人・バラバが凄惨な復讐を始めた後の展開は、凄まじい。



・腕が飛ぶ!
・皮膚が爛れる!
・脳髄が迸る!
・素手で生きた人間の臓物を掻き回す!
・顔面は原型を留めない程に砕け散る!




 退屈な序盤を一息で吹き飛ばしていくかのように残酷かつ凶悪なスプラッター演出の数々が、一気に押し寄せてくるのだ。



バッドマックス03
⒞KADOKAWA GROUP PUBLISHING CO.LTD.

↑犯罪集団のメンバーである、アニマルマスクを被った男達。



 そしてこの血と脳漿のウォータースライダーめいたゴア描写こそ、本作の最大の見所である。「それを楽しめるか否か」で、本作の評価は明確に別れるだろう。



 ちなみに、本作では『弟への復讐』を企むバラバの物語と、『事件の黒幕への復讐』を企むマッシモの物語が劇中並行して進んでいくが、最後の最後まで両者は一切交わらない。 
 そして、彼等二人が別の場所・別の視点から、ラストで怨敵との決着を付けると、車に乗って現場を立ち去った直後に――



 突然うっかり交通事故を起こして両方死ぬ。
※勿論血肉は派手に飛び散る。









 まあ、色々と衝撃的な作品であることは保証する。趣味が合うなら、一度観てみるのも良いと思う。
 求めるものさえ噛み合えば、他の作品にはない最高の暴力を与えてくれるのがネクロストーム作品だ。

 ただし、多少なりとも「うーん、自分に合わないかな」と感じた場合には、無理に観る必要もないだろう。



 さもなくば英雄の館に招かれる。




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コメント

非公開コメント

いつも動画やツイートも楽しく拝見させて頂いております!ありがとうございます!
 この手の便乗邦題映画はネタとして見る事があり、この映画はチェックリストに入っていたのですが、解説を読むに自分には絶対に無理そうなタイプでした!
知的風ハットさんのツイートが入手より先で良かったです!ありがとうございます!
 これからもお疲れの出ないように!

No title

御免これは見たくない。許して。

No title

おかげさまでツタヤで借りる前に動画であがってないか確認してから借りるようになりました!
とても精神が落ち着くようになりました。

No title

コアなファンではなくてゴアなファンな気がする

No title

ある程度のゴア描写には慣れているつもりだったのですが、この作品は見れそうに無いですね…
後作品と全く関係ないのですが、まさかここでラグーナ蒲郡の名前を聞くことになるとは思いませんでした(地元民)

Z級(対象年齢的な意味で)

ゴア描写のラグーナ蒲郡クッソワロタ
今はたしかにラグーナテンボスって名前になってたよねあそこ