【パニック映画】『ラバランチュラ 全員出動!』レビュー

 ナイスな〇〇だ
『ラバランチュラ 全員出動!』

原題:Lavalantula
監督:マイク・メンデス
出演:スティーヴ・グッテンバーグ, マイケル・ウィンスロー, マリオン・ラムジー, ニア・ピープルズ, レスリー・イースターブルック
備考:本作にはポリスアカデミーシリーズのメンバーが文字通り『全員出動!』している


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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC

 “巨大化”“大量発生”というパニック映画の基本に、“火炎属性付与(エンチャントファイア)”という応用を加えることで完成した、『メガ・スパイダー』の監督が送るクモ映画、それが本作、『ラバランチュラ』である。



 いや、実際のところ面白いんですよ。本作。



関連:【パニック映画】『メガ・スパイダー』レビュー




 あらすじ

 ロサンゼルス大作戦、開始!

 俳優のコルトンは、一世を風靡した映画スター。
 しかし今では、B級映画専門の俳優となっていた。
 ふがいない毎日を過ごす中、突如訪れた未曾有の危機。
 猛炎に包まれる街、紅蓮の怪物から逃げ惑う家族。
 愛する者を守るため、コルトンは仲間たちと立ちあがる!

 ~【未体験ゾーンの映画たち2016出品作品】~
 溶岩×巨大クモ=ラバランチュラ!
 一世を風靡した「ポリスアカデミー」のキャスト集結で贈る、トンデモ・パニック!!
 (公式HPより引用)








 この『ラバランチュラ 全員出動!』だが、監督の前作『メガ・スパイダー』と同様に王道一直線を突き抜けた、意外にも比較的安定志向のB級映画である。

 かつてはスターとして名を輝かせたが、今は冴えない中年男性として燻っている主人公・コルトン。
 彼が“ロサンゼルス全域を襲う溶岩グモと、家族を守るべく戦う中で、新しい仲間を得て、世間に再び認められていく”というシンプルな物語は、展開に緩急を付けてスイスイと進んでいく。

 それを踏まえた上で、“序盤から中盤までの伏線を丁寧に活かしつつ、綺麗な結末を迎える物語”には、何も不平不満を語る点がない。

 溶岩グモという珍奇な設定だけ見れば、何か怪しい気配が漂う作品に思われるかもしれないが、実際のところ本作は癖の少ない単純娯楽作品であって、愉快な男達の冒険活劇である。



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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC

↑溶岩グモ・ラバランチュラと主人公・コルトンの対決。
モンスターをハントするゲームのような迫力で満ちている。




 一方で、本作は正統派のパニック映画として、


・“無数の溶岩グモの子供が体内から湧き出てくる”
・“一見重要人物のようなキャラクターまで容赦なく食い殺していく”



 という、“登場する生物の恐ろしさや悍ましさを協調するホラー演出”もバランス良く持ち合わせている。

 上記のホラー演出は、“もしかすると苦手な方々には良し悪しというより好き嫌いで本当に駄目な描写”かもしれないが、そこは“作風と合った絶妙にチープなCGによって、迫力を損なわない程度に緩和されている”ので、少なくとも本作の出来自体は問題ないだろう。



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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC

↑壁から獲物に忍び寄るラバランチュラ。



 また、当ブログでは監督の前作である『メガ・スパイダー』に対して、「独自要素が少ない」という点を唯一の短所に挙げた。

 だが本作では、


『火を噴く巨大グモ』
『銃や刀に始まり、手裏剣や恐竜の模型、液体窒素に終わる豊富な武装』
『ラバランチュラの女王・ママランチュラ』
『ママランチュラに空中戦を挑む主人公のクライマックス』



 と逆に独自要素を過剰供給しているので、このラバランチュラは、監督の前作の唯一に近い難点まで完全に克服しているのだ。



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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC

↑突然現れた専門家によるママランチュラの解説。





 そして本作、サメ映画ファンには嬉しいサプライズが存在する。







 シャークネードシリーズからフィン・シェパードがゲスト出演しているのである。



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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC


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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC





 ――だが、彼はサメ退治で忙しかったので一瞬の登場である。





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⒞2015 VALIANT DAYS DISTRIBUTION, LLC

※ちなみに本作、真偽は不明だが全体的にどことなく『シャークネード カテゴリー2』を意識したと思しき雰囲気がある。
 ほら、終盤の演説とか空中戦とか……。突然転がってくる球体とか……。




 とにかくこのラバランチュラ、総評としては「ナイスなクモ映画だ」



 「見方次第では~」だの「大勢で鑑賞すれば~」だの、Z級映画特有の前置詞を使わないで褒められる、低予算だが高水準の完成度は、純粋にパニック映画を楽しみたい方にぜひともオススメしておきたい一本だ。

 少なくとも、パニック映画が好きな方、B級映画に理解を持たれている方であれば、本作を観て後悔することはないだろう。



 ところで、このラバランチュラに吹替を付けて、同時期にリリースしたあのシャーク・プリズンに吹替を付けなかったアルバトロスは、完全に自社商品をそれぞれ理解して販売してますね……?



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コメント

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蜘蛛映画とサメ映画は雲泥の差?

まだこの作品を見てませんが、サイトの記事を一通り見させてもらった限りでは、蜘蛛映画は良作が多いみたいです。作品内で蜘蛛を作画的にもシナリオ的にも動かすのは難しいからですかね?
いつものサメ映画と比べまさに雲泥の差(クモだけに(ry

フィンのチェーンソウのTシャツは気にしたら敗けなのか………

No title

これも結構話題……にはなってないか、いやでもこの手の映画としては多少有名な気がします

これ、普通に面白いですよね
本筋としてもダメなおっさんがもう一度頑張る類の話として
手堅く作ってあると思います
個人的にツタヤ100円レンタルシリーズとしては
マキシマム・ブラッドと並んでオススメ

溶岩の中に住む伝説なのかよく分からない虫っぽいポケモンいたなぁ。

No title

字幕の「ママランチュラ」で吹きました。
字幕翻訳の人が遊んだのか、もともとこういう言葉だったのか…

あと、シャークネードの人ですが、B級映画のネタを他のB級映画に持ってきて、気づく人がどれくらいいるんですかね?汗

No title

マイケル・ウィンスローが声帯模写をみせてくれるのか、それが気になる…

Oh…良い「記事」じゃないか…
主人公の良い○○ネタでどんどん出てる映画の質が低くなってるのが笑えました

あんたサメの…は反則だと思いました(小並感)

No title

フィンの着てるTシャツが欲しい…割と本気で

ナイスな映画だ

このレビューを読み、気になって
見させていただきました。
これの前に鮫蛸vs鯨狼見たのもありますが
もう言葉にならないくらい面白かったです!
映画でビックリしたのは久しぶりでした

シャークネード4にもこの映画から逆輸入でゲスト出演してますよね

No title

2016年夏に2が放送されたそうです。
日本にも来るかな