【ワニ映画】『ロボクロコ』レビュー

 ホゥアwwwホゥアwwwファーッハッハハォゥwwww
『ロボクロコ』

原題:ROBOCROC
監督:アーサー・シンクレア
出演:コリン・ネメック, ディー・ウォーレス, リカ・マカリスター, キース・ダーフィー, スティーヴン・ハートレー, ジャクソン・ヒューズ
備考:ロボクロコをドンキーコングの新作に出すのよ!


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⒞2013 UFO INTERNATIONAL PRODUCTIONS, LLC

 サメ映画とは異なる路線で独自進化を遂げてきた、パニック映画界のガラパゴス諸島こと『ワニ映画』

 ときにドーピングで怪獣と化し、ときに魔術で天候を操り、ときに魔術で人間に化け、ときにゾンビ映画のごとく『噛んだ相手をワニに変化させるウイルス』などを蔓延させてきたワニ映画界に、新しい仲間が誕生した。



 そう、彼女こそ全身を最先端科学技術によって機械化することにより、サメ映画とはまた一段と違った力を身に付けた、ワニ映画界驚異のメカニズムこと『ロボクロコ』なのである。



 ちなみに内容は割と微妙である。




 あらすじ

 米軍が極秘開発した、ナノマシン・テクノロジー。
 それはミクロの粒子が目標の神経系に侵入、宿主を金属の殺戮マシンに変身させるという、脅威の新兵器だった。

 だが実験用ロケットが動物園に墜落、ナノマシン粒子がクロコダイルに寄生してしまう。

 金属の《ロボクロコ》に変身した巨大ワニは、動物園を脱走しファミリー・パークを襲撃。人々は次々とその餌食になっていく。

 不死身の怪物を倒すため、軍は総力で戦いを挑むが……。(パッケージ裏のSTORYより引用)








 さて、機械化された爬虫類が登場する前代未聞のワニ映画『ロボクロコ』であるが、正直に言って序盤は良かった。



 開始数秒で上空にスペースシャトルが射出された挙句、そこから投下された軍部の新兵器がパラシュートで動物園に降下、偶然真下にいたイリエワニと融合して爬虫類がロボクロコに変身するという意味不明な最初の1分は非常にテンポが良く、そこから始まる主人公一同とロボクロコの追跡劇にも、余計な要素がなく快適に楽しめる。



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⒞2013 UFO INTERNATIONAL PRODUCTIONS, LLC

↑未来から来たシュワルツネッガーのごときロボクロコの視界。
ターミゲーターと命名しよう。




 ナノマシンによって爬虫類の遺伝子が機械化するという設定は冷静に考えれば、いや冷静に考えなくとも荒唐無稽に思えるが、それでもスムーズな脚本の運びと展開の勢いによって、半ば笑いながら眺めていられる範疇の出来だろう。

 ロボクロコのロボ要素はせいぜい“間に挟まれるT-500のごときワニ視点のカット”という部分にしか活かされておらず、ほとんど劇中で映されるのはクロコ要素、すなわち“巨大なワニが普通に暴れるだけ”というのが前半の難点だが、本作のワニは“時間経過によって徐々に皮膚の肉が削げ、一方で地肌の鉄が見えていき、最終的に全身がロボクロコと化す”という過程を辿っていくため、初見での鑑賞中は「なるほど、ロボクロコの本領は後半で発揮されるんだな!」と納得しながら受け入れられた。

 また、登場人物に特別味の濃いキャラクターは少ないものの、主役から脇役までそれぞれ十分に個性は持っており、観ていて退屈したり、造詣に辟易したりすることもなかったのも良い点だ。





 とのように、導入部はパニック映画として別段問題視する部分もなく、むしろ適度にトンデモ路線を走りながら要所を堅実に固め、中盤以降の展開に期待させてくれる品質を見事に誇るワニ映画、ロボクロコなのだが―



 肝心の中盤以降、全然話が盛り上がらないのだ。



 序盤猛威を振るっていたワニは中盤から出番が減り、代わって軍部での作戦会議やワニの入り込んだテーマパークにおける人々の騒動などによる無味乾燥な会話劇が大半を占めてくる。

 また、“動物園で主人公とヒロインの科学者がワニを追う”単純明快な序盤と異なり、中盤以降“別のテーマパークで遊んでいた主人公の息子”“自分勝手な軍部の上官が指示を下す司令部”などに視点が頻繁に切り替わるため話が追い辛く、前述のようにワニは人ではなく脚本の割を食って待機しているため見所に欠け、クソ映画とは言わないものの、微妙な出来の単調な内容が延々と続くのである。



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⒞2013 UFO INTERNATIONAL PRODUCTIONS, LLC

↑本作中盤以降の貴重な見所、『伝説の精神Tシャツ』
日本で流通している下品な英字のTシャツに繋がるものがある。




 一応、ワニの出番がないというわけではないのだが、それでも捕食シーンに溜めや勢いが少なく、どの場面でも“本当に一瞬ワニが画面に映って獲物を襲ったかと思えば、それで演出が終わり再び話が飛んでしまう”ため、その文字通り人を食ったような出来にはいささか不完全燃焼気味な印象がある。



そして結局ロボクロコのロボ要素も最後までほとんど活かされることなく、“全身銀色のイリエワニがちょっと暴れ回る”程度の活躍のまま本編が終わってしまうため、本作のスタッフはまるでマグロのトロの部分を捨てていた江戸時代の寿司屋のごとく良質な素材を無駄に使い潰しているかのようだ。



 これには腹を立てるというより、「どうしてあの序盤からこの展開になったのか」と残念に思う面が強い。

 突然ワニが姿を消し、代打のように中盤からテーマパークで戯れる一般人の映像が急激に増えていた辺り、おそらく予算の都合でCGのロボクロコが出せなかったのだろうと察せられるが、それでも序盤で期待値が高まっていた分、「つまらない」というより「もったいない」と感じさせられたのだ。





 ただし、本作の名誉のために申し上げておくと、中盤以降にも見所がないというわけではない。



 例えば、空を舞うロボクロコがヘリコプターを撃墜するシーン



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⒞2013 UFO INTERNATIONAL PRODUCTIONS, LLC

↑ヘリコプターを撃墜するロボクロコ。
これはワニの対空性能を甘く見た軍部のミスだ。




 一瞬のカットであるため、テンションこそ後々まで持続しなかったものの、「このような見所がもう数回もあれば、また印象も変わってきただろうに」と心底惜しまれる。



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⒞2013 UFO INTERNATIONAL PRODUCTIONS, LLC

↑終盤、完全なる鋼鉄の身体を手に入れたロボクロコ。
全身を覆う装甲にはおそらくゲッタービームを弾く効果がある。




 というわけでこのロボクロコ、「ワニがミサイルかビームでも撃てばまた違った印象だったんじゃないかな」というのが率直な感想だ。



 別にロボワニを出す必要性や脚本上の整合性などはトンデモ路線のパニック映画に求めていないが、ロボワニという設定を活かした展開や、それ以上に大味でもいいから純粋な内容の面白味は欲しかったところである。

 ロボワニという突き抜けたアイデアから延々と地味で起伏のないストーリーが垂れ流されていくのは他人事ながら非常に悔やまれるものが大きく、観る前から多少の出来の酷さ・粗さは覚悟していたはずの私も「こんなはずじゃあ……」ワニ映画ではなく地平線まで続く焼野原を眺めている気分に陥ってしまったため、「せめて一点でも何か設定を上手に反映したギミックがあれば……」と、個人的には憤りより愛おしさと悔しさが先に出てくる作品である。



 なのでこのロボクロコ、ぜひとも『ロボクロコ・ジェネシス』『ロボクロコ・リターンズ』などのリメイク、もしくは『銀河配給ワニエイガー』『超ロボット爬虫類トランスゲーター』などの派生作品を、いつかどこぞの映画会社が制作することを強く望みたい。



 具体的に言うとアサイラム。



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コメント

非公開コメント

No title

リバービースト見たのでハットさんの記事を読もうと思ったんですけどブログに書いてなかったんですね

No title

ナノマシンが遺伝子情報取り込んで機械生物が誕生、ってまんまゾイドCAだなぁ。

SFなら大好物なんで、設定だけなら嫌いじゃないですよロボクロコ

J9、TFの名前を出す
動画にKNN姉貴を使う
あっ(察し)

伝説の精神シャツww
絶対笑うね
ほしい(渇望)

No title

凄いTシャツですねぇwww笑えました
いつも楽しく見ている者です

確かに惜しい所が多い作品な気がしますね
観てみます、有難う御座います



もし差し支えなければ、MRアンインレティブル・スカラベンジャーはどうでしょうか?
割とツタヤカルトファンの間では有名な作品です。

No title

コリン・ネメックホントよくでますね。

わかる。ロボ要素いる?ってなるんよね