【サメ映画】『ジョーズ・アタック2』レビュー

『ジョーズ・アタック2』

原題:MONSTER SHARK
監督:ジョン・M・オールドJr.
出演:マイケル・ソプキウ, ヴァレンタイン・モンニアー, ジョン・ガルコ, ウィリアム・バーガー
備考:VHS版の邦題は『死神ジョーズ 戦慄の血しぶき』


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⒞1984 NATIONAL CINEMATOROGRAFICA NUOVA DANIA INEMATOROGRAFA FILMS INTERNATIONAL LES FILMS DU GRIFFON

 この映画は『ジョーズ・アタック』(1988)四年前に公開された作品であることで有名な『ジョーズ・アタック2』(1984)である。

 なお、本作はかの『シャークトパス』の原作であることでも知られており、劇中にはサメとタコが合体した元祖シャークトパスこと通称・『死神ジョーズ』が登場する、現在のトンデモ路線を切り開いた最初のサメ映画でもある。



 そして本作の監督であるジョン・M・オールドJr.は偽名であり、その正体とはあの『デモンズ』及び『デモンズ2』の監督を務めたランベルト・バーヴァである。



 もう訳が分からない。




 あらすじ

 カリブの海ではこのところ、サメに噛まれたかのような傷痕を残した死体が次々に引き揚げられる事故が多発していた。

 太西洋の小島に暮らす海洋学者・ステラは、調教していたイルカが突如暴れ出したことを不審に思い、相棒のボブに相談するが、彼もまた同時刻、海上にて正体不明の怪物に船を襲われたことをステラに報告する。

 一同が揃って首を傾げていた頃、別の研究所の職員が何者かに殺されるという事件が発生、更にはステラの友人である科学者・ピーターが、謎の集団に自宅のコンバーターを壊されるという事件までもが同時に起こる。

 奇妙な騒動が続く中、ステラ、ボブ、ピーターに、同じく海洋学者のジャネット、ピーターのガールフレンドであるサンドラや、地元の保安官であるゴードンは、各自事態の調査に乗り出すが、一連の出来事の裏には謎の組織の計画と、彼等の造り出した怪物の影が潜んでいたのであった――








 というわけでこのジョーズ・アタック2だが、本作は“サメダコを巡えう人々の思惑と陰謀が交差する、スリリングな群像劇”風味の作品でありる。
 そのため、ストーリーにもモンスター・パニックと言うよりサスペンスに近い要素が多く含まれている。

 もっとも、肝心の脚本は上手に纏められているとは言い難い。

 何か無闇に込み入ったサブプロットが頻繁に挟まってくる割に、頻繁な場面転換の回数に反して展開の起伏の少ない本編は、少し感想に困るものだ。



 また、本作においてサメダコの全身が画面にはっきりと映し出されるシーンは皆無である。



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⒞1984 NATIONAL CINEMATOROGRAFICA NUOVA DANIA INEMATOROGRAFA FILMS INTERNATIONAL LES FILMS DU GRIFFON

↑劇中一度だけ見られる、サメダコの全身のカット。
細部が見えないが、我々サメ映画ファンは「サメが本編に出ているだけマシ」との結論を下した。




 本編に現れる怪物は基本的に“タコの触手”“霞んだサメダコの影”であり、サメダコの全身はもちろん、“サメの部分”さえ全編通して十数秒も出ない。

 それどころかサメダコの出番自体が少ない上に、本作は展開に困るとサメダコの存在を他所に、犯罪者による殺人事件が始まるので、余計にプロットが複雑になって無駄に本筋を追い辛い状態に陥っている。

 サメダコの模型自体もおよそチープな出来、“タコの触手は割と良いのに対してサメの頭部の作りが微妙”というギャップもあって、これは少し厳しいかもしれない。



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⒞1984 NATIONAL CINEMATOROGRAFICA NUOVA DANIA INEMATOROGRAFA FILMS INTERNATIONAL LES FILMS DU GRIFFON

↑本作のサメダコ・死神ジョーズ
最先端技術によってサメとタコを掛け合わせつつ、知能はイルカ並、体格は恐竜並に仕上げられた不死身の化物である。
豊富な素材に恵まれたサメダコではあるが、唯一予算だけは足りなかったようだ。




 そのようなサメダコは最終的に“名前すら持たないモブキャラの面々によって余裕で焼き殺される”という悲劇的な結末を迎えるが、これはサメダコが弱かったというより本作のモブキャラが異常に強かったと解釈すれば問題ないだろう。



 ちなみに、本作におけるサメダコは、


“いくら身体を破壊されようが千切れた細胞から再生する”
“自己増殖能力で12時間以内に2体に増える”



 という非常に高いスペックを誇るが、同時に持つ、


“サメダコは生後八ヶ月の幼体”
“サメダコは地球上に一匹しか存在しない貴重な生物”



 という設定と謎の矛盾を生じさせて居る上に、結局サメダコの能力も劇中で披露されることはないので、やはり難点の多い作品であることは否めない。






 だが本作、別に何も見所がない作品というわけではない。



 例えば、“突然襲いかかってきたサメダコの触手によって頭をペチペチ叩かれるボブのシーン”は、的確に相手の頭部を狙って何度も振るい降ろされるタコの触手の挙動が楽しくて、緊迫感より脱力感が込み上げてくる愉快な代物に思えた。
 他にも“サメダコによって瀕死の重傷を負わされた患者の胸に対して、闇雲にAEDを連打する医師のシーン”には、流石に杜撰過ぎて笑ってしまった。
※当然患者は死亡。医師は死因を『恐怖による心臓麻痺』と診断。ちゃうやろ。



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⒞1984 NATIONAL CINEMATOROGRAFICA NUOVA DANIA INEMATOROGRAFA FILMS INTERNATIONAL LES FILMS DU GRIFFON

↑サメダコに頭をペチペチ叩かれるボブ。



 他に、普通に良い点を挙げるならば、先程にも述べたクライマックスの“火炎放射器を装備したモブキャラとサメダコの総力戦”だろうか。

 終盤の特撮では燃え盛る炎に血飛沫や水飛沫の演出が効いており、真夜中の海面で蠢くサメダコにもなんだかんだで迫力が出ていたので、そこだけでも本作を素直な見方で評価していきたい。




 また本作、現在の『シャークトパス』などに連なる変なサメ映画の記念碑とも言える作品であることは既に触れたが、同時に海洋を舞台にしたサイエンス・ホラーの先駆者でもある(別に『創始者』というわけではなく、あくまで『同じジャンルの名作映画より比較的早い時期に公開された作品』程度の意味だが)。

 そのような意味では“サメ映画ファンなら必ず押さえておくべき作品”と言えないこともないこともない、他のサメ映画とは違った方向で一風変わったサメ映画。

 それが本作・『ジョーズ・アタック2』なのだ。



 ところでこの映画、世間ではその歴史的価値が認められているのか、現在市場ではサメ映画の癖に微妙な高値が付いているので、万が一近所の店頭で見かけた場合などには迷わず購入しておくことをオススメする。
※ただしこれはDVD版に限った話であり、VHS版は相応の価格である。



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コメント

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No title

この映画小学校の頃ブックオフで買いました
本家のジョーズシリーズと勘違いしてしまい…
まさか裸が出るとは思わんかったな~
今思うと意味不だったような…

No title

あっマジだ高けえこいつ、マジでプレミア・・・かなんかついてやがる。

No title

>『ジョーズ・アタック』(1988)の四年前に公開された作品であることで有名な『ジョーズ・アタック2』(1984)
??????

No title

デモンズの監督だったなんて・・・

No title

第一作が「~2」、第二作が「無印」…
サスペリアと同じパターンですね。

No title

サアスペリアと同じく2は1と関係のない作品という共通点も

監督の名前が「デモンズ」と違うのは何で? 複数のペンネームを持っている的な感じ?

No title

5000円超え… あれ?なんだか普通の映画に見えてきたぞ?
視聴後になんとも言えない気分になる作品だった