【ゾンビ映画】『ゾンビーバー』レビュー

『ゾンビーバー』

原題:ZONBEAVERS
監督:ジョーダン・ルービン
出演:レイチェル・メルヴィン, コートニー・パーム, レクシー・アトキンス, ハッチ・ダーノ, ジェイク・ウィアリー
備考:本作のスタッフはハングオーバー・シリーズの面々であり、かつジョン・メイヤーがカメオ出演している


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⒞2014 ZONBEAVERS, LLC.

 ♪ゾンビーバー ゾンビーバー
 ♪恋人が叫び声を上げた 理由を聞いても君は信じないよ
 ♪彼女がトイレで見たのは 間違いなくゾンビーバーさ
 ♪変な毒に侵されて 遺伝子が組み換わった
 ♪腹をすかせて 水の中で待ってるよ
 ♪よい子は湖に近づくな
 ♪ゾンビーバー ゾンビーバー



 これが本作の主題歌、ゾンビーバーのテーマの一番である。
 ちなみに、このテーマソング、“本編を観なくても歌詞だけでこの映画の内容が全て分かるようになっている”『アタック・オブ・ザ・キラートマト』形式のため、初見の場合、二番以降には注意が必要だ。


 だとしても「♪ネタバレ注意だ」とか曲の三番で歌わないで欲しい。今更だ。




 あらすじ

※ゾンビーバーのテーマ及び以下の場面を参照


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⒞2014 ZONBEAVERS, LLC.

↑緊張感に溢れるシーン。
人は皆、生きるか、死ぬか。それともビーバーになるかだ。






 というわけで本作だが、『普段からB~Z級に位置するホラー映画やパニック映画を死ぬほど観ている人』には特別愉快な作品として受け止められるだろう。

 というのもこの映画、序盤の風紀の乱れた日常パートから始まって、ビーバーがサメ映画のごとく“姿を出さず血糊だけ水辺に撒いて湖から人々を襲う”演出や、ビーバーがスラッシャー映画のごとく“人々の隙を突いて山小屋の電話線を切り外部との通信を遮断する”展開などを多分に含む、



「B級映画の様式美を全部ビーバーでやっちゃうかあ!」



という、意味不明な意外性と安定感の入り混じったバカ映画として完成されているのだ。


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⒞2014 ZONBEAVERS, LLC.

↑湖を優雅に泳ぐゾンビーバー。
特典映像によると、本作のゾンビーバーはリモコンで駆動するハイテク齧歯類とのことだ。



 また、本作のビーバーはCGに極力頼らずパペットを用いており、さながら台所のタワシにタミヤのモーターを取り付けて生まれた自家製アニマトロニクスのごとく強引な挙動を見せつけてくれるが、それもまた本作のチープな雰囲気と絶妙に合っており、決して貶されるべき出来ではないと思われる。



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⒞2014 ZONBEAVERS, LLC.

↑ゾンビーバーのパペット。
造詣や挙動こそチープなものの、実際にはかなり細部まで力を込めて作られていることが特典映像で分かる。
“愛しい安っぽさ”はやはり努力によって生み出されるのだ。




 だが、本作の見所は上記のトラッシュ・ムービー具合だけではない。

 パニック映画の王道を往く堅実な構成から続く、洗練されたテンポの緩急に、“生き残りそうな人間が死んだり、死にそうな人間が生き残ったりする”変化球、そして“ゾンビーバーに噛まれた人間がゾンビどころかゾンビーバー人間となって蘇る”トンデモ設定というような、単純娯楽映画を楽しむ上で必要な要素を本作は全て兼ね備え、かつ脚本にバランス良く納めている。



 『狙って作ったクソ映画』というものは、得てして『素で作られたクソ映画』より悲惨な出来に魔改造されるものだが、本作は“B級映画を楽しんで観るために最低限欠かせない要所は押さえつつ、スキルツリーのポイントをクソ映画方面にも振った”かのごとき『最適化されたステータスを持つバカ映画』とでもいうような完成度を誇っているのだ。



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⒞2014 ZONBEAVERS, LLC.

↑驚異の完成度。



 ちなみにゾンビーバーは、“バリケードを噛み切って突破”したり、“齧り倒した大木で相手を撲殺”したりする。
 つまり、本作は劇中にビーバーの特徴を活かした展開を複数盛り込むことで、パニック映画の怪物をビーバーでやる必要云々といった問題さえクリアしていることになる。


 ここまで来るともう「ゾンビーバーは名作映画」と言う他にない。







 いや、ゾンビーバーは名作映画だ。間違いない。







 とまあ、ここまでゾンビーバーを、何か『奇跡の傑作』のように、素人目線で内容を分析しつつ絶賛している当ブログであるが、


 この映画は別に小難しい論評を並べ立てて飾るべき作品でもないと思う。


 年頃の若者に相応しい下品なトークと、ともすれば「しょーもねー」「くだんねー」との声も上がりそうなネタで成り立っているのがゾンビーバーであるため、変に頭を使わず、気楽な姿勢で楽しむのが一番なのだろう。

 本作もおそらく、そのような意図でもって制作された、気楽なゾンビ映画なのだから。



 そして最後に、もう一点だけ、この映画の最高にして最大の魅力について触れておこう。





 本編の最後に挟まれるメイキング映像が和む。



zb08
⒞2014 ZONBEAVERS, LLC.




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コメント

非公開コメント

ゾンビーバーいいですよね。
エンドクレジットのゾンビーバーの曲の後の、もう1つのオチも気に入ってます。
これ観てて、何故かバタリアン思い出します。

No title

地元のゲオでは、コレとMr.タスクが特集組まれてました。
僕はタスクの方を見たのですが、レビュー見た感じ全然ベクトル違うんですな。

わんこかわE
ちょっと見てみようかしらん

No title

ビーバーからかってかみ殺された人がいたな

No title

主が紹介してる映画で初めてまともに見たけど、結構面白かった

No title

期待以上の出来だった

No title

おお!ゾンビーバーが正当に評価されてる!嬉しい!
「安っぽい特撮のクソ映画」とか言われるの哀しかったんですよね
こんなに面白くて楽しいバカゾンビーバー映画なのに…

No title

本日、スカパーで無料放送ですってよ!
・・・正気の沙汰じゃねぇ。
メイキングまでありなら見てみようかしら。

ゾンビーバー視聴しました
ゾンビーバーの意外と精巧なつくりや、ゾンビーバー人間のメイクなど凝った部分を楽しめたほか、可愛い女優のトップレスが観れたので大満足の映画でした
話も面白かったです